はじめに
FreeCAD は、オープンソースでありながら非常に強力な 3D CAD ソフトウェアです。
設計のアイデアを形にする際、まずは平面図である「スケッチ」の設計から始めます。それを Pad(押し出し)や Pocket(くり抜き)などで 3D へ変換していくという基本フローがあります。
本投稿では、FreeCAD を使って「目的の大きさの直方体」を作成する手順を、スケッチから Pad まで一連の流れで解説します。
モデル作成の流れを知ろう
スケッチ → Pad / Pocket の手順で立体にします。
スケッチ(Sketch)
2D の図形を描く作業。設計したい面上に直線・円・多角形などを配置し、拘束(寸法)で完全に決定させます。
スケッチが完成したら、これを「押し出す」ことで 3D オブジェクトに変換します。
Pad(押し出し)
スケッチを基に、一定の高さだけ立体化します。ボディ(Part)として新しいオブジェクトが生成されます。
Pocket(くり抜き)
Pad と同じくスケッチを使いますが、立体から削除(抜き)ます。
この 2 ステップを繰り返すことで、複雑な形状も手軽に作れます。
目的の大きさの直方体を作ろう
今回は「幅 = 50 mm、奥行き = 50 mm、高さ = 4 mm」の直方体を作ります。
ポイントは「原点を 1 点とする長方形を書く」ことです。FreeCAD のスケッチでは、原点(0,0)を固定点として使うと、寸法入力が直感的に行えます。
1. スケッチを準備する
- 「Part Design」ワークベンチ を開きます。
- 新規ドキュメント (Empty ドキュメント) を作成します。
- 画面左側、タブ「Tasks」で「Create body」をクリックして、本体用のルートノードを作ります。
- 本体用のルードノードが作られると、X軸、Y軸、Z軸、XY平面、XZ平面、YZ平面も自動的に作成されます。
- 続いて、本体ノードの XY 平面 を選択した状態でタブに「Tasks」切り替え、「
Create new sketch」(新規スケッチ)アイコンをクリックします。- XY平面はモデルを真上から (Z軸正の領域から原点を) 見た図です。
2. 原点を基準に長方形を書く
- ボタン「Create a rectangle」(白線の正方形と右上・左下に赤点のアイコン) を選択して、原点(0,0)から描画を開始します。
- この時、カーソル右下に次の2つの拘束アイコンが表示されるはずです。
- 長方形に関する拘束(ボタン「Create a rectangle」と同じアイコン)
- 交点に関する拘束(X字と中央に1点のアイコン)
- この時、カーソル右下に次の2つの拘束アイコンが表示されるはずです。
- スケッチの左下角が原点になるように、右上へ伸ばして長方形を描きます。
- 直角が自動で作られ、原点から右上への長方形が生成されます。
- 同時に、長方形に関する拘束(向かい合う2つの辺は並行かつ同じ長さ、2つの辺の交点はそれぞれ同一点、合計8個)と交点に関する拘束(原点のX軸、Y軸上にあることを表す1個)も生成されます。
3. X、Y の値を指定する
- 寸法ツール(Dimension)(ルーラーと角度がついたようなアイコン) を選びます。
- 長方形の左上の点と原点をクリックして、縦辺に 50 mm を入力します。
- 同様に長方形の右下の点と原点をクリックして、横辺に 50 mm の寸法を入力します。
- 入力後、すべての点と辺が完全に拘束されているか確認してください。
- すべての点と辺が完全に拘束されている場合、「Tasks」タブのセクション「Solver messages」に「Fully constrained」が表示されます。また、すべての点や線が緑色で表示され、点や辺をドラッグしようとしても動かない状態になります。
4. スケッチを閉じて Pad を作成
- タブ「Tasks」中、ボタン「Close」をクリックしてスケッチの編集モードを終了します。
- 続いて、タスクバー(タブ「Tasks」) から
Padを選択。 - Height フィールドに 4 mm と入力。
OKを押すと、スケッチが押し出されて 4 mm 高さの直方体が完成します。
ポイント
- スケッチ内で「すべての点、線分が拘束された」ことを必ず確認してください。そうでないと Pad 時に寸法が正しく反映されません。
- 原点を固定することで、モデル全体の座標系が明確になり、他部品との組み合わせも楽になります。
おわりに
FreeCAD で直方体を作る一連の流れは、スケッチ → Pad の 2 ステップで完結します。
- スケッチ:原点を固定し、寸法で完全拘束。
- Pad:スケッチを押し出して 3D オブジェクトに変換。
この基本パターンをマスターすれば、複雑な部品設計も段階的に拡張できます。ぜひ今回の手順を試してみて、FreeCAD のスケッチと Pad 操作に慣れてください。
次回は「Pocket(くり抜き)」を使った内部穴の設計や、複数スケッチを組み合わせたボディ作成に挑戦していきましょう!